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- 自分好みのコーヒーを淹れたい
- 種類が多すぎてコーヒー豆の選び方がわからない
- 自宅でのコーヒータイムを充実させたい
本記事では、コーヒー豆の種類と淹れ方を簡単に解説します。記事を読むと、豆の種類や産地、焙煎度合いなどの基礎知識が身につき、自分好みのコーヒーを作れるようになります。
主要なコーヒー豆の種類
世界にはさまざまなコーヒー豆があります。主に知られているのは以下の3つです。
- アラビカ種
- ロブスタ種(カネフォラ種)
- リベリカ種
それぞれの特徴を紹介します。
アラビカ種
アラビカ種は、コーヒー豆の中で最も人気があります。高品質で豊かな風味を持つ豆として広く認知されているからです。アラビカ種のコーヒーは苦みが少なく、甘みと酸味がバランスよく感じられます。コーヒー愛好家から特に評価されている点です。
理想的な栽培環境は標高600〜2,000mの高地です。適切な高さで育つことで独特の風味が生まれます。一方で、アラビカ種は病害虫に弱く、栽培が難しい面が欠点です。
アラビカ種は全世界のコーヒー生産量の約60~70%を占めています。エチオピアやコロンビアなどの特定の地域が主な産地です。アラビカ種は味わいのよさから多くの人に愛されています。
ロブスタ種(カネフォラ種)
ロブスタ種のコーヒー豆は耐性が強く、学名「Coffea canephora」としても知られています。赤く熟したコーヒーチェリーが特徴です。カフェイン含有量がアラビカ種よりも多いため、辛味の強い味わいがあります。
耐病性と高温多湿への強さがあり、低地での栽培が可能です。ブラジルやベトナム、インドネシアなどの多くの国で生産されています。
ロブスタ種は収穫量が多いことから、インスタントコーヒーやエスプレッソブレンドによく使用されます。価格もアラビカ種に比べて安価です。フルボディで苦味を感じやすく、クリーミーな泡立ちが特徴です。高温でのローストが必要なので、適切な焙煎方法が求められます。
リベリカ種
リベリカ種のコーヒー豆は、世界のコーヒー市場においてアラビカ種やロブスタ種に次ぐ存在感があります。学名は「Coffea liberica」で、西アフリカが原産地です。主にアフリカ・東南アジア・フィリピンで栽培され、特に高温多湿な環境への耐性があります。
リベリカ種は大きな葉と果実を持ち、耐病性が高いことから栽培が容易な品種です。風味は独特で強く、果実味も感じられます。ジャガーやエクセルサなどの他の種類とは、異なる味わいが楽しめるでしょう。
リベリカ種のコーヒー豆は独自の特性から、特定の地域やマイナーな市場で好まれています。さまざまなコーヒーの中で、注目に値する特徴を持つ品種といえるでしょう。
コーヒー豆の産地の種類
コーヒー豆は生産地によって独自の特徴と風味を持ちます。各産地の種類や特徴を紹介します。
コーヒーベルト
コーヒーベルトとは、赤道付近の特別な地域を指します。世界で最も美味しいコーヒー豆が育つ場所です。北回帰線と南回帰線の間に位置し、以下の国が含まれます。
- ブラジル
- コロンビア
- エチオピア
- ベトナム など
コーヒーベルトは、温暖な気候と適度な降水量、高地などの条件が揃っているコーヒー豆の栽培に最適な地域です。
世界のコーヒー生産量の大半をコーヒーベルトが占めており、アラビカ種とロブスタ種の両方が栽培されています。それぞれの国が独自の風味を持つコーヒー豆を生産していることから、世界中のコーヒー愛好家を魅了しています。
南米
南米は、コーヒー豆の主要な産地として世界的に有名です。世界のコーヒー生産量の約45%を占めており、多くの国が高品質なコーヒー豆を栽培しています。
特にブラジルは世界最大のコーヒー生産国で、アラビカ種の生産に特化している点が特徴です。コロンビアは高品質なアラビカ種コーヒー豆が有名で、ペルーは有機コーヒーの生産で注目されています。
アンデス山脈の高地で栽培されるコーヒー豆は、冷涼な気候と豊かな土壌の恩恵を受け、果実味が強く爽やかな風味が特徴です。南米のコーヒー豆は風味の豊かさから、世界中のコーヒーマーケットで高い評価を受けています。
アフリカ
アフリカ大陸は、コーヒー豆の重要な産地として世界的に知られています。特にエチオピアとケニアは、アラビカ種の主要生産地として有名です。
エチオピアの「カファ」地方はコーヒー発祥の地とされ、世界中のコーヒー好きから特別な注目を集めています。独特の気候と土壌がコーヒー豆に独自の風味をもたらすことが、高評価の理由です。エチオピア以外の産地の特徴は以下のとおりです。
- ケニア:酸味とフルーティーな風味で、味わい深いコーヒー豆を栽培
- タンザニア:冷涼な気候を活かした高品質なコーヒー豆を栽培
- ウガンダ:主にロブスタ種を栽培
アフリカの多様な気候は、それぞれの地域で異なる特徴をもつコーヒー豆を育てます。生豆の品質には定評があり、特にスペシャルティコーヒーの産地としての地位を確立しています。
収穫方法はコーヒーチェリーの手摘みが一般的で、丁寧な作業も品質を保つ一因です。フェアトレードやオーガニックコーヒーの生産に注力する農園も多く、持続可能な農業への意識の高さが見受けられます。
伝統的な天日乾燥も味わいの深みを加える要素です。新興のコーヒー生産国としてはルワンダやブルンジが注目され、スペシャルティコーヒーが高い評価を受けています。個性的な風味と高品質のアフリカのコーヒー豆は、世界のコーヒー市場には欠かせない存在です。
アジア
アジアのコーヒー産地は多様な気候と地形により、個性的な風味を持つコーヒー豆を生産しています。ベトナムはコーヒー豆の生産量が世界第2位で、ロブスタ種が多く栽培されています。ベトナム以外の国の特徴は以下のとおりです。
- インドネシア:バリやスマトラなどの複数の島でさまざまなコーヒーを生産
- インド:「モンスーン・マラバール」と呼ばれる独特のコーヒー豆を生産
- フィリピン:「バラコ」という特有の品種を栽培
- タイ:北部高地でアラビカ種を中心に栽培
- ラオスやミャンマー:高品質なアラビカ種を生産
- 中国の雲南省:コーヒー生産が拡大しており、高品質なアラビカ種を生産
アジア各地で栽培されるコーヒーは、土地ならではの個性を持っています。
コーヒー豆の焙煎度合いの種類
コーヒー豆の焙煎度合いは、コーヒーの風味に大きな影響を与えます。焙煎とはコーヒー豆を熱処理することで、豆の色や味、香りが変わる重要なプロセスです。焙煎度合いごとの特性を解説します。
浅煎り
浅煎りのコーヒー豆は、軽い口当たりと酸味が特徴的です。豆本来の味や香りを残しながら、焙煎による影響を最小限に抑えています。焙煎時間は短く、焙煎温度は180〜205℃です。
豆の色は淡い茶色に仕上がっており、独特の風味があります。浅煎りのコーヒーはカフェイン含有量がやや高いため、カフェインを多く摂取したい人にも適しているでしょう。
中煎り
中煎りのコーヒー豆は、茶色い外見と表面に見え始めるオイルで識別できます。酸味と苦味が均衡を保ち、風味が調和している点が特徴です。特にアメリカやオーストラリアで、中煎りのコーヒーは人気が高いです。
コロンビアやコスタリカといった特定の産地の豆が、中煎りコーヒーとしてよく使用されます。果実のような、はっきりとした風味が高く評価されています。
中煎りコーヒーの焙煎度合いは「フルシティロースト」とも呼ばれ、エスプレッソに用いられるケースも多いです。一般的にはドリップコーヒーに適しています。
深煎り
深煎りコーヒーは、コーヒー豆を高温で長く焙煎します。ダークブラウンの色合いと油分が表面に現れる特徴があります。深煎りコーヒーは、ビターで力強い苦味とフルボディの味わいが楽しめるでしょう。
苦味が好きな人には特におすすめです。焙煎による焦げた風味が強いため、独特の風味を求める人にもぴったりです。
エスプレッソやイタリアンローストのような濃厚なコーヒーには、深煎りの豆が用いられます。深煎りコーヒーは酸味が軽減されるため、酸味をあまり感じたくない人にもおすすめです。コーヒー豆の油分の多さが、エスプレッソや濃い目のコーヒーに最適な理由の1つとされています。
» コーヒーの酸味の種類、酸味を左右する要因を解説!
コーヒー豆の挽き方の種類
コーヒー豆の挽き方は極細挽きから粗挽きまで、主に5つの種類があります。それぞれの種類の挽き方の特徴を紹介します。
極細挽き
コーヒー豆を挽く際の「極細挽き」は、エスプレッソやターキッシュコーヒーのような特定の抽出方法に適しています。極細挽きは抽出時にお湯との接触時間が短いため、急速に味を引き出します。エスプレッソのように圧力をかけて抽出する際は、シルキーでクリーミーな質感を生み出せる極細挽きが有効です。
極細挽きのコーヒーには、金属フィルターの使用をおすすめします。極細挽きのコーヒーはオイルとフレーバーが豊富なため、金属フィルターを使うとしっかり抽出されるからです。
ただし、一定の粒度で均等に挽くには、高品質のグラインダーが必要になります。コーヒーの極細挽きを最大限に活かすには、適切な抽出方法と道具選びが重要です。
細挽き
細挽きのコーヒー豆は、エスプレッソやモカポットなど特定の抽出方法に最適です。コーヒーの風味が濃厚になるからです。細挽きにすれば、短い抽出時間を保てます。
エスプレッソの場合、理想的な抽出時間は25〜30秒です。短時間で抽出する際には、細かい粒度のコーヒー粉が用いられます。
細挽きは抽出圧力をかける方法に適しており、油分と香り成分を豊富に抽出できます。ただし、家庭用グラインダーを使用する際は、粒度に注意が必要です。不適切な挽き方をすると、苦味が強まるリスクがあります。
中細挽き
中細挽きコーヒーも、エスプレッソやモカポットに適しています。中細挽きで作られたコーヒー粉は砂糖の粒よりも細かく、テーブルソルト程度の粗さが特徴的です。
中細挽きのポイントは、味と香りを引き出すために抽出時間を短めにすることです。中細挽きは抽出圧力に対して適度に抵抗するので、バランスのよい味わいを楽しめます。苦味や酸味といった強い特徴を持つ豆を使用する際も、中細挽きにすれば特性を適度に抑えて滑らかな飲み口にできます。
中挽き
中挽きは砂糖の粒よりもやや細かい程度で、粉状の手前の状態です。ドリップ式コーヒーメーカーやプアオーバーでの使用に最適です。コーヒーの抽出時間と風味が調和し、抽出時に均一なお湯の流れが実現します。
コーヒーのアロマと風味が適度に抽出されるため、日常的にコーヒーを楽しむ人におすすめの挽き方です。粗挽きよりも風味豊かなコーヒーを楽しめ、コーヒーの本質的な味わいを引き出せます。
粗挽き
粗挽きのコーヒー豆は、風味豊かなコーヒーを楽しむための挽き方として知られています。フレンチプレスやパーコレーターなどのお湯との接触時間が長い淹れ方に適しており、深い味わいを感じられます。
豆を挽く際の粒のサイズは約1mmです。見た目は海塩の粗いものに似ています。抽出時間を長くしても、過抽出しにくい特徴があります。ボディ感が強く、味わい深いコーヒーを楽しめるでしょう。
» コーヒー豆の挽き方の基礎知識と種類、ポイントを解説!
コーヒーの淹れ方の種類
コーヒーの淹れ方には以下の方法があります。方法によってコーヒーの風味や楽しみ方が異なります。
- ドリップ式
- フレンチプレス式
- サイフォン式
- エスプレッソマシンの使用
ドリップ式
ドリップ式は、手軽に美味しいコーヒーを楽しむための最も一般的な淹れ方です。紙フィルターまたは金属フィルターを用います。フィルターに挽いたコーヒー豆をセットしてからお湯を注ぐシンプルな手順です。コーヒーの粉とお湯が触れ合う時間によって、コーヒーの味が変わります。
ドリップ式ではお湯の温度管理が重要で、理想は91〜96℃です。新鮮なコーヒー豆をグラインダーで挽くと、さらによい味わいを引き出せます。
お湯を注ぐ際は、ゆっくりと円を描くようにすると均一な抽出が可能です。濾過時間は2〜4分が適切で、長くなると苦味が強まります。繊細な味わいや酸味を楽しめるドリップ式は、家庭・オフィス・カフェなどさまざまな場所で利用されます。
フレンチプレス式
フレンチプレス式は、豊かな風味と油分を楽しめる淹れ方です。最大の魅力は、コーヒー豆とお湯が長い時間触れ合い、豆本来の風味を最大限に引き出せる点にあります。淹れ方の手順は以下のとおりです。
- フレンチプレスの容器に入れて熱湯を注ぐ
- 約4分間待ってコーヒー豆を抽出する
- 金属製のフィルターを押し下げる
コーヒーの油分が濾過されずにカップに注がれるため、濃厚な味わいを楽しめます。シンプルながらも欠かせない淹れ方の1つです。
サイフォン式
サイフォン式のコーヒーは、真空圧力を利用して淹れる方法です。独特の清涼感と滑らかな口当たりが特徴です。サイフォン式でコーヒーを淹れる際は、ガラス製の容器を2つ使用します。
下の容器を加熱すると、水蒸気圧が生じて水が上の容器に移動し、コーヒー粉と混ざります。混ざり合った後に熱源を取り除くと、冷却による圧力差で淹れたコーヒーが下の容器に戻る仕組みです。
コーヒーを淹れる過程が視覚的にも楽しめます。ただし、温度と抽出時間のコントロールなど、精密な淹れ方が求められます。サイフォン式によるコーヒーの淹れ方は、コーヒーの風味を最大限に引き出すことが可能です。淹れたての香りが高く、香味バランスがよいコーヒーを楽しめます。
エスプレッソマシンの使用
エスプレッソマシンは、エスプレッソを抽出する専用の機械です。高圧力の蒸気を使い、コーヒーの豊かなエキスを短時間で引き出します。
コーヒー本来の濃厚な風味と香りを最大限に活かすことが可能です。エスプレッソはカフェラテやカプチーノなど、さまざまなアレンジコーヒーの基礎となっています。
エスプレッソマシンは、種類によって操作方法や機能が異なります。好みや使い勝手に合わせて選ぶのが大切です。家庭用からプロのバリスタが使用する商業用まで、多くのモデルがあります。エスプレッソマシンは、コーヒーを深く味わいたい人には欠かせない道具といえます。
まとめ
コーヒーにはアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種といった異なる豆の種類があり、それぞれ独自の風味を持っています。産地はコーヒーベルト地帯に位置する南米・アフリカ・アジアなどで、産地ごとに特徴のあるコーヒーを味わうことが可能です。
焙煎の度合いによっても風味は大きく変わり、浅煎りから深煎りまで幅広い選択肢があります。挽き方は極細挽きから粗挽きまで多岐にわたります。淹れ方に合わせて選ぶことが一般的です。
コーヒーの世界は多彩で深く、好みや気分に合わせて楽しめるのも魅力です。ドリップ式やフレンチプレス式などのさまざまな淹れ方で、独特の味わいを引き出しましょう。
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