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濃厚で香りが良いエスプレッソは、普通のコーヒーと何が違うのでしょうか?
この記事では、エスプレッソの基本や一般的なコーヒーとの違い、豆選び、自宅でおいしく淹れる方法を解説します。エスプレッソとは、19世紀のヨーロッパで誕生した、高い圧力をかけて短時間で抽出する濃厚なコーヒーです。
記事を読むと、自宅でも本格的なエスプレッソを楽しめるようになります。
エスプレッソとは
エスプレッソとは、イタリアで生まれた濃厚なコーヒーです。大きな特徴は、短時間で濃厚な味わいのコーヒーを抽出できる点です。
エスプレッソは抽出時間が短いため、香りが濃縮され、独特の苦味と刺激があります。クレマと呼ばれる泡が滑らかな口当たりを提供し、飲み心地を向上させます。
エスプレッソ誕生の背景
エスプレッソは、19世紀後半のヨーロッパで誕生しました。当時のヨーロッパはコーヒーが人気で、特にカフェ文化が盛んだったのがイタリアです。
当時は労働者の休憩時間が短縮される傾向があり、迅速にコーヒーを提供する需要が高まりました。需要に応えるため、技術革新が進むとともに、新しいタイプのコーヒーマシンが開発されました。1901年、ルイジ・ベッツェラによってエスプレッソマシンの特許が申請され、現代の形が誕生します。
エスプレッソはカフェでのサービスを劇的に向上させ、コーヒーの存在を根底から変えました。
クレマ(表面の泡)の役割
エスプレッソの表面にある泡は「クレマ」と呼ばれ、エスプレッソの品質においてとても重要です。クレマにはコーヒーの新鮮さや、正しい抽出方法が反映されます。
クレマはコーヒーの風味やアロマを閉じ込める効果があります。クレマが形成されるとクリーミーな口当たりになり、エスプレッソから豊かな香りと味わいを感じることが可能です。
クレマはエスプレッソの濃厚さと品質を視覚的に表現するため、飲む前にチェックしてエスプレッソを楽しみましょう。
エスプレッソと普通のコーヒーの違い
エスプレッソと普通のコーヒーの違いは、以下の3つです。
- 抽出方法の違い
- 味わいの違い
- 見た目と量の違い
抽出方法の違い
エスプレッソと普通のコーヒーの最も大きな違いは抽出方法です。
エスプレッソは一般的に9〜10気圧の圧力でコーヒーを抽出します。細挽きのコーヒー豆を使い、短時間で濃縮されたコーヒーを作れるのが特徴です。一方、普通のコーヒー(ドリップコーヒー)は重力で水をフィルターに通して抽出します。中細挽きの豆を使用し、抽出時間が長くなる傾向です。
» 【初心者必見】ドリップコーヒーの始め方
エスプレッソと普通のコーヒーは、抽出方法が異なるので味わいや見た目も大きく異なります。
味わいの違い
エスプレッソは普通のコーヒーとは違い、濃厚かつ強い風味が特徴的です。エスプレッソの風味は、甘味、苦味、酸味のバランスに重点を置き、際立つように抽出されます。
エスプレッソは通常、シングル(※1)またはダブル(※2)で提供され、強烈な味わいが特徴です。普通のコーヒーは量を調節し、個々の好みに合わせて強さを変えられます。
エスプレッソは他のコーヒーとは一味違った風味があり、多くの人に愛されています。
※1 シングル:30mlで1杯。
※2 ダブル:60mlで1杯、コーヒー豆もお湯も2倍の分量。
見た目と量の違い
エスプレッソと普通のコーヒーは、見た目と量の違いが特徴的です。
エスプレッソは濃い色で、表面のクレマが豊かな香りと味わいを引き立てます。一方、普通のコーヒーの色合いは比較的薄くて透明感があり、クレマは形成されません。量の違いは以下のとおりです。
- エスプレッソ:1杯が約30ml
- 普通のコーヒー:1杯が約150ml
エスプレッソと普通のコーヒーは、見た目と量が大きく異なり、違ったコーヒーが楽しめます。
エスプレッソに合う豆の選び方
エスプレッソに合う豆の選び方は、以下の3つです。
- 豆の産地で選ぶ
- 焙煎で選ぶ
- メーカーで選ぶ
豆の産地で選ぶ
エスプレッソに合う豆を選ぶ際、産地は重要な要素です。産地によってコーヒー豆の特徴が異なり、エスプレッソの味わいに大きな影響を与えます。産地ごとの違いは以下のとおりです。
- イタリアやブラジル産:伝統的に好まれる
- 中南米産:バランスが良く、コーヒーの味が濃厚になる
- アフリカ産:フルーツのような酸味がある
- アジア産:スパイスのような独特の風味がある
エスプレッソにはロブスタ種(※3)の豆がよく用いられますが、品質の高いアラビカ種(※4)も選択肢の一つです。海抜が高い地域で栽培された豆は味が濃厚になる傾向があるため、豆選びの際には考慮すると良いでしょう。
※3 ロブスタ種:世界で約40%生産されるコーヒー豆、苦味が強め。
※4 アラビカ種:世界で約60%生産されるコーヒー豆、酸味が強め。
焙煎で選ぶ
焙煎の度合いはエスプレッソの風味に大きな影響を与えます。焙煎を深めると風味が濃厚になり、豆の油分が表面に出てきます。焙煎の度合いによる違いは以下のとおりです。
- 深煎り:苦味が強く、エスプレッソの味を引き立てる
- 中煎り:深煎りに比べてマイルドな風味
焙煎の度合いは、エスプレッソのクレマの量や質に影響します。
メーカーで選ぶ
メーカーで選ぶ場合は、メーカーごとの特徴や信頼性、歴史、品質基準を考慮することが重要です。イタリアやフランスのメーカーは、エスプレッソに特化した豆を取り扱っているので人気があります。エスプレッソの文化を長年培ってきたため、豆の品質が信頼できます。
バリスタ(※5)にとって、好みの味、アフターサービス、企業の社会的な取り組みは重要な選択基準です。同じメーカーの豆を使用すると、一貫した味わいを楽しめます。SNSのレビューや評判も購入の参考になるので、事前に情報を集めましょう。
さまざまなメーカーのサンプルを試すと、好みの豆を発見できる可能性が高まります。メーカーの違いはエスプレッソの味を左右するため、メーカーごとの特徴を把握して選ぶことがおすすめです。
※5 エスプレッソをいれる職人のこと。
エスプレッソマシンの種類と選び方のポイント
家庭用エスプレッソマシンの種類と選び方のポイントを解説します。
家庭用エスプレッソマシンの種類
家庭用エスプレッソマシンには、以下の種類があります。
種類 | 内容 |
手動タイプ | すべての工程を手動で行う。 豆を挽いてフィルターにセットし、抽出圧をレバーでコントロールする。 |
半自動タイプ | 豆を挽いてフィルターにセットするまでを手動で行う。 抽出はマシンが自動で行う。 |
全自動タイプ | すべての工程を自動で行う。 豆をセットした後はエスプレッソマシンの操作のみ。 |
カプセル式タイプ | 自動タイプの一種で手軽。 コーヒーの粉が詰められたカプセルをセットして、抽出は自動で行う。 |
手動から全自動まで、ライフスタイルや好みに合わせた選択が可能です。
エスプレッソマシン選びのポイント
エスプレッソマシンを選ぶ際には、以下のポイントを考慮する必要があります。
- 予算:価格帯が広いので、予算を設定する
- 操作性:操作のしやすさで選ぶ
- 機能:スチームワンド(※6)の有無、水タンクの容量などの機能で選ぶ
- サイズ:置き場所に合ったサイズを選ぶ
- メンテナンス:掃除や消耗品の交換のしやすいさで選ぶ
- 品質:信頼できるメーカーで選ぶ
- 評判:他のユーザーのレビューを参考にする
- 保証:保証の長さ、アフターサポートの質で選ぶ
エスプレッソマシンは、エスプレッソの抽出に9気圧以上の圧力がかけられるマシンを選ぶことが重要です。予算と機能のバランスを見極め、コストパフォーマンスに優れたマシンを選びましょう。
※6 スチームワンド:スチームを吹き出し、ラテ用のミルクを作る機能。
自宅でエスプレッソを淹れる方法
自宅でエスプレッソを淹れる流れとおいしく淹れるコツを解説します。
エスプレッソを淹れる流れ
エスプレッソを淹れる流れは以下のとおりです。
- エスプレッソマシンを予熱する
- コーヒー豆を計量する
- コーヒー豆をグラインダー(※7)で挽く
- 挽いたコーヒー豆をフィルターに詰める
- タンパー(※8)でコーヒーを均一に圧縮する
- エスプレッソを抽出する
- エスプレッソをカップに注ぐ
- 必要に応じて、ミルクや砂糖を加えて味を調整する
エスプレッソを淹れるには、正しい手順を理解することが大切です。正しく淹れられたエスプレッソは、濃厚な風味と香り、クリーミーな泡の層ができあがります。
※7 グラインダー:コーヒー豆を挽くための機械。
※8 タンパー:挽いたコーヒー豆をフィルターに押し固めるために使う道具。
エスプレッソをおいしく淹れるコツ
エスプレッソをおいしく淹れるためには、以下の重要なポイントがあります。
- 豆:新鮮な豆
- 挽き方:細挽き
- 水:軟水を使う
- 水温:90〜96℃
- 抽出時間:25~30秒が目安
- コーヒー豆と水の量:一定の割合を保つ
エスプレッソマシンは清潔に保ち、定期的にメンテナンスしましょう。上記のコツを押さえると、自宅でもカフェのようなエスプレッソを楽しめます。
まとめ
エスプレッソとは、イタリアで生まれた濃縮されたコーヒーです。表面のクレマと呼ばれる泡が風味を閉じ込め、エスプレッソの品質を表現します。豆を選ぶ際は産地や焙煎の度合い、メーカー独自の特徴を理解して選ぶことが重要です。
エスプレッソマシンは、用途や機能に合わせて選んでください。エスプレッソを淹れる流れと、コツを押さえた淹れ方を身につけることが大切です。今回の内容を実践すれば、自宅でもカフェのような本格的なエスプレッソを楽しめるようになります。
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