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- フレンチプレスコーヒーって何?
- ドリップコーヒーと何が違うの?
日本では紅茶を作るイメージが強いフレンチプレスですが、もともと欧米ではコーヒーをいれる器具として使われています。プロも使用するフレンチプレスは、家庭でも粉を入れてお湯を注ぎ、数分後にプレスするだけの手軽さが魅力です。
この記事では、フレンチプレスコーヒーの基本から選び方、美味しいいれ方やコツを紹介します。ドリップコーヒーは少し大変そうと思う方でも、簡単に本格的なコーヒーをいれられるのがフレンチプレスです。
休日にはコーヒーの香りを楽しみながら手軽にいれられます。ぜひ最後まで読んで、おうちでカフェのような1杯のコーヒーを味わってみてください。
フレンチプレスコーヒーの基礎知識
フレンチプレスコーヒーは、コーヒーをお湯に浸して抽出する浸漬式(しんししき※)で作る方法のこと。サイフォンや水出しコーヒーも、浸漬式(しんししき※)で作られます。
金属のフィルターを通しプレスすると、コーヒーが持つ油分や風味が溶け出します。コーヒーのダイレクトな香りと、豊かな味わいある魅力に夢中になる人も少なくありません。コーヒー豆の粗さや浸漬時間を調整すれば、味の濃さや風味を自由に変えられます。条件を変えて、その日の気分や好みに合わせられるのです。
形はシンプルで、ガラス、ステンレス製の筒が一般的です。部品には金属やプラスチック、ステンレスが使われており、洗練された見た目はインテリアとしてもおしゃれに映えます。ただし、細かいコーヒー粉がカップに残ることもあり、いれ方には注意が必要です。
フレンチプレスコーヒーの歴史や選び方、いれ方のコツを知ることで、より深くコーヒーの味わいを楽しみましょう。
※ 浸漬式(しんししき)とは、コーヒー粉を水やお湯に浸して抽出する方法のこと
フレンチプレスコーヒーの歴史
フレンチプレスは、1929年にイタリア人のアッティリオ・カリマーニによって、現在の原型が発明された抽出器具です。初期の頃は、金属や布のフィルターを使用していました。
1958年にはイタリアのデザイナー、ボンダニーニがデザインを改良。ガラス製のカラフェと金属製のプランジャー(ふたに付くピストン部分)が特徴である、現代のフレンチプレスが確立されました。1980年代に入ると、フレンチプレスは北米やヨーロッパで高品質なコーヒー抽出器具として注目を集めます。
その後デンマーク生まれの会社ボダムによりヨーロッパで普及され、シンプルかつ実用的なデザインは、多くの人に愛されてきました。
フレンチプレスが人気の理由
フレンチプレスが人気の理由は、簡単な操作で本格的なコーヒーを楽しめる点です。フレンチプレスを使えば、コーヒー豆の油分を含んだ優しいリッチなコーヒーを味わえます。
コーヒー豆の量や抽出時間の調整も簡単に行えるため、好みに合わせた味を楽しめるのも魅力です。器具の価格は2,000〜4,000円代が一般的。手頃で入手しやすく、デザインもおしゃれなためキッチンのインテリアとしても映えます。
掃除がしやすくメンテナンスも簡単で、複数人分のコーヒーを一度にいれることができる利便性も魅力です。家庭やオフィスはもちろん、キャンプなどのアウトドアにも向いており、さまざまなシーンで活躍します。手軽にどこでも本格コーヒーを楽しめるため、長く世界で愛されているコーヒーメーカーです。
他の抽出方法との違い
フレンチプレスコーヒーの抽出方法は、コーヒー油や香りを多く楽しめる点が特徴です。
ペーパードリップによる抽出方法では、フィルターを通すと油を遮るため、スッキリで爽やかな味わいを楽しめます。一方フレンチプレスを使うと、コーヒーの油分が豊富に抽出され豆本来の深みが出るため、マイルドでリッチです。
» 【初心者必見】ドリップコーヒーの始め方
他に環境に優しいメリットもあります。ペーパーフィルターや金属フィルターを使用しないため、ゴミの削減につながるからです。ただし、エスプレッソマシンとは異なり圧力を使わないのでクレマを作れません。抽出時間は4分かかるため、待っている間に他の作業をするのもおすすめです。
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温度と抽出時間を自分で調節できる醍醐味はありますが、簡単とはいえ慣れが必要です。調整が必要な点は、フレンチプレスを使う際の注意点といえます。
フレンチプレスの選び方
フレンチプレスを選ぶ際は、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
選ぶポイントは次のとおりです。
- 素材
- サイズ・形状
- ブランド・価格帯
素材
フレンチプレスの素材は、ガラス・ステンレス・プラスチック・セラミック・ダブルウォールがあります。
以下の表に違いをまとめました。
素材 | ガラス | ステンレス | プラスチック | セラミック | ダブルウォール |
耐久性 | 高い | 高い | 低い | 高い | 高い |
メリット | 味の変化が少ない・デザインが豊富 | 保温性が高い・アウトドア向き | 軽く取り扱いやすい | 保温性が高い、熱に強い | 保温性が高い |
デメリット | 破損しやすい | 冷めやすく匂いが気になる | 保温性がない | 重量があり破損しやすい | 重い |
いずれの素材を選んでも、落下や取り扱いに気を付けてお手入れをし、長持ちできるよう丁寧に使いましょう。
サイズ・形状
サイズや形状、デザインも重要なポイントです。
1杯に使うお湯の目安は160mL。350mLの小型サイズは1〜2杯分を作るのに適しており、持ち運びにも便利です。500mLサイズは3〜4人分、1,200mLを超える大型サイズは8杯分以上を一度に準備できるため、来客時に活躍します。
形は一般的な円筒形から角型、丸みのあるデザインまでさまざまです。ふたの形は操作性が良いものを選び、ハンドルは持ちやすいものを選びましょう。
収納スペースに合わせたサイズ選びも大切です。キッチンの空間を有効活用しながら、使用人数や一度に飲む量に応じて、最適なフレンチプレスを選びましょう。
ブランド・価格帯
フレンチプレスメーカーは、ブランドによって価格帯や特徴が異なります。
メーカー | 価格帯 | 特徴 |
ボダム(BODUM) | 中 | 世界的に有名なメーカーでデザインが豊富 |
ハリオ(HARIO) | 低 | 日本初の安定したガラスによる高品質 |
ル・クルーゼ(Le Creuset) | 高 | 高品質なセラミックとデザイン性の高さ |
Frieling | 高 | 高品質なステンレスメーカーで機能性が高い |
SterlingPro | 低~中 | 高品質なダブルウォール製品 |
KONA | 低~中 | コスパが良くプロ仕様 |
Espro | 低~中 | 特許を取得したフィルターとデザイン性の高さ |
IKEA | 低~中 | ガラス製品が多くコスパが良い |
Secura | 低~中 | コスパが良く機能性が高い |
メーカーによってデザインや特徴が異なるため、好みのブランドを見つけてみてください。
フレンチプレスを使ったコーヒーのいれ方
フレンチプレスコーヒーのいれ方と、道具を紹介します。
- 必要な道具
- フレンチプレス、計量スプーン、ポット、ケトル、ミル
- あると便利な道具
- タイマー、温度計、測り
- 材料(1人分)
- コーヒー豆(粉)12g、お湯160mL
- いれ方の手順
- 1. 温めたフレンチプレスにコーヒーを入れる
2. お湯を入れる
3. 約4分待つ
4. プランジャーをゆっくり押し下げる
温めたフレンチプレスにコーヒーを入れる
初めにフレンチプレスとカップを温め、湯せんをしましょう。温度が下がるのを防ぎ、保温性が高まります。予熱後は、余分な水を捨ててください。
フレンチプレスが温まったところで、コーヒー粉を入れます。豆からひく場合は、中挽きがおすすめです。コーヒー粉の量とお湯の目安は、1人分のコーヒー12gに対してお湯は160mLです。
12gは一般的なコーヒースプーンで1杯ですが、メーカーによって異なります。ミルやフレンチプレスを測りの上に置いて計測すれば、正確に測れるのでおすすめです。
粉を入れたら、フレンチプレスの底に平らになるように、ならしましょう。
お湯を入れる
次に92〜96℃のお湯を、コーヒーがかぶる程度にゆっくり注ぎ、30秒待って蒸らします。このとき温度計を用意し、ない場合は沸騰したお湯から1分ほど待つと、おおよそ目安の温度になります。
残りのお湯をゆっくりと入れ、柄の長いカクテル用のスプーンなどで軽くかき混ぜます。粉を湯に均一に浸すことで落ち着かせ、美味しい抽出を引き出すのです。
約4分待つ
コーヒー粉とお湯を入れた後は、ふたをして約4分待ちます。フレンチプレスは動かさないようにしましょう。
このとき、プレスを上げたままにしておくことが大切です。4分より短い時間で圧力をかければ薄い味になり、6分を超えると雑味が増します。
キッチンタイマーやスマートフォンのタイマーを使い、正確に測るようにしましょう。
プランジャーをゆっくり押し下げる
4分経ったところで、プランジャー(ふたに付くピストン部分)をゆっくりと押し下げます。コーヒーの粉を均等にろ過し、一定の圧力をかけることで、澄んだ味わいと豊かな香りを引き出すことができるのです。
理想的な押し下げる速度は、約15〜30秒。急激な圧力を加えると、コーヒーの粉が舞い上がり粉っぽくなります。
プランジャーを押し下げた後はすぐにコーヒーを注ぎ、粉がカップの底に沈殿するのを防ぎます。完成したら、美味しいフレンチプレスコーヒーを楽しみましょう。
フレンチプレスコーヒーを美味しくするコツ
簡単にいれられるフレンチプレスコーヒーですが、より美味しく飲むための工夫を紹介します。コーヒー豆の挽き方やいれ方によって味わいに大きな違いが出るため、ぜひコツをマスターしていってください。
コーヒー豆の挽き方は中挽きがおすすめ
フレンチプレスで使うコーヒー豆は、新鮮なものを選び、コーヒーを飲む直前に中挽きで挽きましょう。中挽きは濃度や苦味のバランスが良い挽き方なので、コーヒーのコクを感じたい方におすすめです。
粗挽きは、フレンチプレスコーヒーでは時間をかけて抽出するため、苦味が少なくスッキリとした味わいで飲めます。しかし、中には薄味に感じて物足りないと感じる方も。細挽きは濃度が濃く苦味も強くなり、フレンチプレスのフィルターから粉が出てしまう可能性が高いため、向いていません。
その日の気分や豆の種類によって、挽き方を変えてみるのもおすすめです。開封した豆は密封容器に入れて、冷蔵庫か冷凍庫で保管しましょう。
» コーヒー豆の挽き方の基礎知識と種類、ポイントを解説!
お湯は約92~96℃が適温
お湯の温度は、約92〜96℃にしましょう。理想の温度でコーヒーをいれれば、豆の香りや味わいがバランスよく抽出されます。
温度が高すぎるとコーヒーの苦味や渋みが強くなり過ぎ、温度が低すぎるとコーヒーが十分に抽出されず、味が薄く感じられます。コーヒーの種類や好みで温度調整が可能なため、最適な温度を見つけることも、フレンチプレスコーヒーを楽しむ醍醐味の一つです。
正確な温度管理をするために、温度計を使いましょう。もしおうちに温度計がない場合は、沸騰してから1分ほど火をとめて待つか、別のポットに移し替えると約95℃になります。
一定の温度でコーヒーをいれて、いつも変わらない味を楽しみましょう。
フレンチプレスコーヒーでよくある質問
フレンチプレスコーヒーでよくある質問を回答します。美味しいコーヒーを飲みたい方は、参考にしてください。
美味しくできないのはどうして?
もし、美味しいコーヒーをいれられなかったと感じたら、以下のポイントをチェックしてみてください。
- コーヒー豆の挽き方は適正だったか(細かすぎる or 粗すぎる)
- 使用するお湯の温度は適切だったか(熱すぎる or 冷たすぎる)
- コーヒーの抽出時間は適切だったか(長すぎる or 短すぎる)
- コーヒー豆の品質は保たれていたか(新鮮さや保管)
- フレンチプレスの清掃はきちんと行われていたか(粉の残留物)
- コーヒーとお湯の比率は適切だったか(コーヒーが薄い or 強すぎる)
- プランジャーを押す速度はどうか(速すぎる or 遅すぎる)
コーヒー豆は中挽きが理想です。細かすぎると苦味が強くなり、粗すぎると味が薄くなるリスクがあります。熱すぎるお湯は焦げた味に、逆に冷たすぎると抽出が不十分で味のバランスが崩れます。抽出時間が長すぎると苦みや渋みが強くなり、短すぎると味が薄くなるのです。
時間が経過したコーヒー豆は、香りが損なわれます。フレンチプレスに残留物があると、匂いがしみつき次の粉と混ざるので丁寧に洗浄しましょう。コーヒーとお湯の適切な比率を見つけ、プランジャー(ふたに付くピストン部分)を適切な速度で押すことも大切です。
粉っぽさが気になるのはなぜ?
フレンチプレスコーヒーの粉っぽさが気になる原因として、次の3点が挙げられます。
- フィルターの構造
- ペーパーフィルターよりも粗いフィルターの構造で、コーヒーの微粉がカップの中に残りやすいため
細かい粉が抽出時に水と混ざっても、沈殿しにくいため - 豆の挽き方
- 細挽きなど細かくなるほど、フィルターから漏れてしまうため
- プランジャーの押す速度
- 押す速度が速いと、コーヒー粉が舞い上がるため
まとめ
フレンチプレスコーヒーの魅力といれ方のコツを知ることで、より味わい深く美味しいコーヒーが飲めるようになります。
- フレンチプレスの歴史と人気の理由を知り、他の抽出方法との違いを知る
- フレンチプレスの素材・サイズ・形状・価格帯を知る
- コーヒーをいれるポイントやコツを知る
- 粉っぽさや美味しさの問題を、挽き方や抽出時間で調整する
手軽でありながら、自分好みの調整ができるフレンチプレスコーヒー。豆の風味豊かな味わいと香りを楽しめる一杯は、より贅沢なコーヒータイムを感じさせてくれます。理想のいれ方を見つけ、心安らぐ一杯を見つけてみてください。
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